3日目

一日の予定はあるものの、気の知れた友人達との行動だったので、朝ものんびり起床。朝食を食べたり、顔を洗ったり、髭を剃ったり。そういえば2日目の朝にあったことなのだが、書くのを忘れていたので記しておきたいと思う。T澤君に洗顔料を貸したのだ。ちょっとスースーするようなやつ。彼、顔に塗った瞬間「これ洗顔料じゃなくて歯磨き粉に違いない。だまされた。うおーい」とか思ったそうな。なんでやねん。

3日目は文化的に活動。池田あき子というイラストレーターの美術館とオルゴール博物館を見に行く。数年前なら美術館や博物館なんてまっぴらゴメンだったが、自分で小説を書くという行為を初めてからは、創作に携わるもの全てに興味が湧くようになった。よい傾向ではあると思う。

先に池田あき子氏の美術館。氏の作品としては「わちふぃーるど」という世界を舞台とした主人公ダヤンの物語が有名らしい。……らしい、と曖昧な書き方なのは、私がまったく池田あき子という人物を知らなかったからだ。残念ながら美術館を訪れたのは熱心な理由からではない。単に友人の同伴である。

ところが、これが意外に面白かった。やはり猫ならば何でも許されるものなのかもしれない。別に犬でもいいのだが、何にしろ可愛ければ全てよしなのかもしれない。雰囲気もよかった。絵本ならば重要だろう。絵本マニアではないのでわからないけれども。

さて、美術館自体もよかったのだが、私としてはその付属である喫茶店の方が印象に深かったりする。いちごのパフェが美味しかった。正確にはいちごのフローズンパフェである。735円。凍らせて砂糖で味をつけた大量のいちごの上に、ソフトクリーム。シンプルだがいい。この時点で3日目は満足。

とはいえ、満足したから帰るわけにもいかず、次はオルゴールの森。

個人的には、ここはよくできていると感じた。客を飽きさせないように工夫されている点が好印象。あと、白鳥が最高。彼らには拍手を送りたい。威嚇なのか何なのか、時折、見物客に突進していく姿は、雄々しく気高い。frannieも襲われていた。笑ってごめんよ。

オルゴールの森には随分と長くいて、おそらく2時は軽くすぎていただろう。その時、まだ昼食を摂っていなかった。おみやげの売り場にチョコレートやジャムの試食があった。まあ、何をしたかは言わずもがなだろう。反省。

その後、昼食に入った店が、あまりの観光地料金でびびる。

腹いせに、もう一度いちごパフェを食べた。

コテージに戻ってから、なぜかデビルマン鑑賞会が始まる。史上最高のダメ映画と名高い作品。実は前々から見たいと思っていたのでテンションが上がる。実際に見て、色々と衝撃を受ける。「ハッピーバースデー、デビルマン」。うわー。

気を取り直して、バーベキュー。今までのように手伝うことはなかったが、微妙に火力アップに尽力したりした。肉を食った。食いまくった。座った場所がよかったのか、好きなだけ食べられた。後から聞くと、さっぱり食べる暇が無かった人もいたようで、ちょっと申し訳ない。

周りより早めに食べ終わったので、自分の班の分だけでも皿を洗っておこうと台所に向かう。のんびり洗っていると、なぜだか次から次へと洗い物が持ち込まれるようになる。待て。なぜだ。どうして自分が皿洗い係りになっているのか疑問を感じ、世の不条理を知る。

その後、酒。

最後だから徹夜しようかと考えつつ、地味に飲む。地味に誰かと話したり、暗号問題を考えたり、ハイになるよりものんびりと飲み続ける。大して酔うこともなく、時間だけがだらだらと過ぎてしまった。ぶっ倒れるように飲みたいとも思う。調子に乗ると気持ち悪くなるだけだから自制しているけれども、あんな場ならば一度ぐらいはハメを外すのも悪くないのではと考えるダメな自分。

結局、6時ぐらいまでは起きていた。

その頃になると、完全なる酔っぱらいか、猥談組しか存在しなくなっていた。なぜだか起きていた姐さんが不思議。暇だと相談すると、寝るべきだよとアドバイスされた気もする。さすがに記憶が曖昧。

曖昧なまま、大したオチもなく合宿記も終わり間近。

《4日目へ続く》