1日目

朝、集合場所の大隈講堂前。快晴。割合に早くついて、暇なのでコンビニに行ったり。ぞろぞろと集まる人々。やっぱりみんなテンションが高い。そんな中、I崎君がいつもの雰囲気のまま手提げ鞄ひとつで現れる。騒然となる。合宿が終わった今になっても、どうしてあれだけの荷物で四日間を過ごせたのか謎のまま。

バスでの移動だが、改めて書くような出来事も無く、のんびりとした時間だった。途中のパーキングで、豪勢にもハーゲンダッツのアイスを食べる。昼食用にパンも買ったが、なぜか数日後に鞄の奥から発見されることになる。食すことなく、慌てて棄てた。今思えば勿体ない。今思わなくても、勿体ないかもしれない。

コテージ到着。チェックインまで時間が空くらしく、しばらく駐車場でたむろする。夜型人間の私は、夏の光に耐えきれず一人日陰に避難していた。Sanguineさんとyakatuさんは崖から飛び降りたりしていた。私も飛び降りたいと思ったけれど、元が運動音痴なので諦める。というか、崖と言っても2メートル程の高さなのだけど、崖から飛び降りるなんて書けば、まるで集団自殺でもしているかのように見える。うちのサークルだとあまり洒落にならない気がする。いえ、冗談です。

その後、管理者のご好意で、早めにチェックイン。豪華で広々としたコテージに、子供のようにはしゃぐむさ苦しい男共。華の無さ加減は凄い。わりかし地獄絵図。私は孤独を気取って二階のソファで一人横になっていた。別に眠くないのですぐ起きた。隣の部屋でChloeさんが一人本を読んでいた。きっとあれが正しい姿である。尊敬。

コテージに満足していると、女子の方と移動になる。愚痴を垂れたりする。私の中で合宿最大の不満が溜まった瞬間だった。その後、男子コテージと女子コテージを隔てる石垣を上り下りして遊ぶ。もの凄く満足する。山の天気並にころころ気分が変わっていた。あと、言うまでもないことだが、石垣の上り下りを始めたのはSanguineさんである。

全体の諸注意が終わって、何をするでもなく時間が経ち、夕食の準備に入る。3班合同のカレー作り。正直、私はM上嬢に全てを委ねる気でいたが、なんだかんだで真面目に色々と手伝う。皿とコップを洗い、米を研いで炊き、野菜を切る。自分でも気持ちが悪いぐらい真剣にやった。本音は「こんだけやったんだから食後の洗い物はやらない!! やるもんか!!」てな感じだったけど……。

カレーの出来映えは可もなく不可もなくと言ったところ。もっと美味しいものは作れるだろうけど、あれだけの人数分を一度に作るとなると、これくらいが限界のような気もした。最大の過ちを上げるとすれば、ジャガイモの量が半端じゃなかったこと。そして切り方も大きすぎたこと。切ったやつだれだよ、と文句を言いたい。でも切ったのは私である。うわ、ごめんなさい。

8時半頃から全体読書会があった。あえて言ってしまおう。私が読書会に参加するのはこれが初めてだった。二文生に毎回一時からの読書会は厳しい。いつも課題本を読んでは、当日目覚めると夕方だったというパターン。激しく自業自得。馬鹿、俺。誰にも迷惑はかけていないが、なんだか申し訳ない。いや、情けないだけだろうか。

何にしろ、読書会である。課題本は「姑獲鳥の夏」。半年ほど前に読んだきりだったが、最近映画を見たので内容は思い出していた。読書会では上級生の発言が興味深かった。正直な所、一年が発言すると話のピントがずれるように思えたので、私自身は上級生同士の熱い議論に耳を傾けるに留めた。というか、それで終わってしまった。

読書会後は、本当にだらだらするだけで終わった。ゲームしたり、酒を飲んではハイになったり。一応、酒で迷惑をかけたつもりはないんだけど、私の認識していない所で何かやらかしていたらどうしよう。記憶はしっかりしているので、たぶん大丈夫だとは思います。

そう言えば、日付が変わるぐらいの時刻になって、ふらりと女子棟コテージ、つまり宴会場を訪れると、brandnewcatさんが料理を作っていらっしゃった。細かい経緯は省きますが、餌付けされました。それから私の目には、彼の人が神のように神々しく映るようになりましたよ。おいしかったなー。

最後に、寝る間際の珍事をひとつ。

私の隣の布団ではmalamoが寝ていたのですが、そこに「寝る場所がねぇ」と騒ぎながらスカートが現れました。「ここでいいや」などと言いながら、malamoの布団にもぐり込みます。途中で「暑いから」と言って、ズボンを脱いで下着姿になりました。その後、スカートが何をしたかは、彼の尊厳の為に記すことを控えようと思います。

翌朝、二人の枕はmalamoの鮮やかな鼻血によって真紅に染まっていました。

私は恐怖しました。

《2日目に続く》